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2017/10/29 12:18
天皇賞・秋特集 その3 武豊劇場とは?
ギャロップダイナのように中距離実績皆無の馬が史上最強を串刺しにし、
皇帝の息子にして、当時休み明けとはいえ、完璧な強さで皐月、ダービーを大差で、馬なり、そして5馬身ぶっこぬいたトウカイテイオーを
1.58.6という
当時としてはかなりの好時計で串刺しにしたレッツゴーターキン
こんな事例を見るにつけ
いったい中距離の強さってなんなのか?
と、訳がわからなくなる時期があった。
そもそも国内2000メートルのぶっちぎりのレコードは、
トーセンジョーダンの
1.56.1
じゃあ、トーセンジョーダンが日本競馬史上最強なのか?
っていうと、多分違うわけで。
でも、2000って、そういう事が起きてしまう距離なんですよ。
トーセンジョーダンの1.56.1って、
概ね
継続的に
11.5〜11.6
のラップを10回連続してきたような内訳。
で、位置が後方でしょ?
つまり直線入口で1400通過は、自身が、
1分21秒強で、35秒切るくらいでまとめる感じ。
これで後方ってことは、逃げは1400通過が1400のレコードクラスで、こいつらを本命連中が大名マークしちゃったら、そいつらも1400通過が1分21秒前後で、それだけ短距離並にぶっ飛ばしながら、トーセンジョーダンを抑え切るのは
34秒前半
が必要になるんだけど、それは無理スジ。
そもそも2000メートルの世界レコードが、1.55.1かなんかだから、多分国内のレコード1.56.1は、日本競馬の限界値に近く
馬の運動生理学の学術論文からは、この距離の最大エネルギー効率は、
等速
と言われていて、つまり、トーセンジョーダンのペース配分はベスト
あの等速がハマったのは、前について行けなかったことも多分にあるが、それでも、あのペースを出し切る能力はそれはそれで価値がある。
とはいえ、じゃあ
最強馬はいつでも等速で逃げれば紛れがないじゃないか!
と言われる方もいるだろうが、そうはならないのが、場主や競馬関係者の経済的合理性の観点。
この1回、勝てば100億円の賞金っていうなら、そういうアプローチはありだ。
でもたかだか1億、
であれば、G2の、二着や三着も複数含めて、流れが向けばG1ももう何回か勝ったり、上位に入って何億か稼ぎたい。運が良ければ種馬で数十億、数百億だ。
だから、1回のレースで、脚がぶっ壊れたり、疲労が残るような無謀なことはしない。
だから毎回、全身全霊をかけた争いにはならないし、流れ次第で何が起きてもおかしくないのが、この東京の2000メートルなのだ。
にも関わらず、決めたいときにきっちり勝ち切るのが武豊騎手なのである。
それは何故か?
次回以降で明らかにしたい。