ジャパンカップ特集　プロローグ　キタサンブラックのあれこれ・・・

キタサンは二戦目の500万下を勝ったときから注目してきた馬なので、長所も短所もわかってるつもり。

冬の東京芝2000は時計がかかり、500万下なら２分２秒台で優秀だが、ぶっちぎって２．０１．４だったので、これは強いと思った。ただ「ちぎり方」は、あまりお目にかからない走りで、切れている印象も、脚の回転が速くなっている印象もなく

「むしろ、ちょっと鈍重さを感じさせるのに、巨体から繰り出すどでかいストライドで後続を突き放していく」

北斗の拳に出てくるラオウが乗ってた「黒王（コクオウ）」みたいな感じ・・・

スピードを感じさせない走りは、「クラシックでは人気にならんから馬券的に旨みあるかな」と予感はさせつつも、「ピッチが遅いから勝つまでは厳しいかな？」ってところだった。

スプリングＳを５番人気で勝ったのは驚かなかったし、皐月での４番人気３着ってのは、「おさまるところにおさまっているな」って感じだった。「直線の切れ味勝負になりがちなダービー」惨敗は想定どおりで、菊は近年スローからの切れ味になるケースが多いので、ダービー同様に惨敗かな？と思ったら、残り1000メートルくらいからのペースアップする我慢比べになったことに加え、この馬の最大の長所である「折り合いに何の不安もない」ことが功を奏した。

「ダービーは向かないレースだったことは間違いないけど」惨敗は、単に「北村Ｊの暴走」
だった。１７番ゲートから

２Ｈ目　１０秒台ラップを追いかけたら駄目っ！

菊以降は、武が手の内に入れ、「残り４ハロンからのロングスパート」で後続の脚をなしくずさせて好走を続けてる。

先頭を走ってるのに、「かからないし巨体から繰り出すストライドが大きい」もんだから、残り４Ｈから

「２〜３番手で折り合っていた先行馬が使うような好位差し並の脚」

を使っちゃう。

2400Ｍ前後レースは、良馬場で平均以上ペースで乗り切った後、ラスト４Ｈを「当該レースの平均ラップの９６％程度ペース（良馬場で４６秒後半〜４７秒）」を恒常的にマークするような乗り方（2000の大阪杯は距離短く99％で、春天は脅威のハイペースなのでこれも99％）。

４コーナーで２馬身程度のアドバンテージを得てるので、キタサンを差し込むために要求されるのは３４秒５〜３５．０程度の脚

菊後のキタサンの着順と上がり４Ｈとその際の勝馬（あるいは２着馬）の上がり３Ｈを掲示すると・・・（上がり４Ｈタイムの直後の数値は対平均ラップ割合）


　　　　　　　キタサン上がり４Ｈ　勝ち馬（二着馬）　　　上がり３Ｈ
有馬記念3着　　４６．９（0.957）　ゴールドアクター　　　３４．８
天皇賞春1着　　４６．６（0.954）（カレンミロティック）　３４．８
宝塚記念3着　　４９．０（1.015）　マリアライト　　　　　３６．３
ジャパン1着　　４６．６（0.959）（サウンズオブアース）　３４．５
有馬記念2着　　４７．６（0.975）　サトノダイヤモンド　　３５．５
大阪杯　1着　　４７．１（0.990）（ステファノス）　　　　３４．２
天皇賞春1着　　４７．７（0.991）（シュバルグラン）　　　３５．２

宝塚記念　　　スムーズ先行できず惨敗だったの参考外
天皇賞秋　　　逃げ・先行ポジションでなかったので参考外


振り返ってみると、

★春天はカレンミロティックに一旦差し込まれたのにゴール前根性で差し返し！
★ＪＣであれだけ強かったのに、有馬でサトノにあっさり交わされた！
★「良〜やや重」で、２着、３着に負かしのは、
　春天　カレンミロティック＞シュバルグラン
　ＪＣ　サウンズオブアース＞シュバルグラン
　大阪　ステファノス＞ヤマカツエース
　春天　シュバルグラン＞サトノダイヤモンド
　と、Ｇ１未勝利馬ばかりでしかない（春天３着サトノダイはハイペースサバイバル
　戦で切れ味を殺す「肉を切らせて骨を絶った」もの

「ペースを落としすぎて、後続の切れ者（たとえばレイデオロ）の脚を直線に残させてしまう」と、ビュッと一気に交わされる可能性がある。と私は見ている。

２分２３秒５前後で飛ばすと（春頃の、つまりダービー前後時期の良馬場だと２分２２秒台の超一流水準に相当）、未完成の三歳馬が、上がり３４秒台ってのは難しくなって、キタサンの逃げ切りってこともあるだろうが、そこまで飛ばすか？この時計、立ち回りは、エピファネイアがぶっちぎりを演じたときと同等のペースだ。