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2015/01/25 20:15
自分を知る騎手
今週また一人の名ジョッキーが鞭を置きました。
その名は中館英二。
例えば武豊騎手のように眩いばかりの光を放つ天才…
とはまた違い、
どちらかといえば玄人好みの昭和の匂い漂う泥臭く努力人のイメージ。
ツインターボのレース振りやローカル競馬でのレースに代表されるように
“逃げの…”と称される個性派というのが、
多くの人に感じられる印象であったように思います。
おそらく本人にとってはそんな競馬だけを突き詰めていた訳では決してなく、
1頭1頭の馬の個性に合わせ
その馬にベストと思われる騎乗を心掛けていたことでしょう。
個人的に中館騎手が凄いなと思うのは
決して本意ではないかもしれないその印象・冠に踊らされることなく、
また逆にそれを過度に否定することもなく、
自分を知り分をわきまえ
そして冷静に常に変わらず
ここまで騎乗を続け結果を残してきたという点にあると感じています。
地道や継続には我慢がつきもの。
時に一つ一つコツコツと積み重ねることに我慢できず、
無理やりな一発逆転を狙ったり
数字に踊らされたり…
そのような思いにも自分の立ち位置を知り向き合うことで、
誠実に対応し出来ることをしっかりと続けてここまで来た…
そんな印象を抱かせてくれる騎手でした。
こんな勝手な思い込みでこんなに素晴らしい騎手人生を送ってきた方を
評するのはもしかしたら失礼なことかもしれませんね。
馬券での相性は決してよくなくて、
特にここ新潟での騎乗に際しては
無視をするには勇気がいるけれども全幅の信頼もできない
とても買いにくい騎手の一人ではありましたが、
それもまた良い思い出。
競馬は出会いと別れの連続。
誰かが去ればだれかが出てくるのがこの世界。
いや
競馬に限ったことではありませんね。
名手・中館英二騎手。
これまで本当にお疲れ様でした。
これからの人生もまた楽しみにしています。