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2024/04/12 22:58
センシブルケース
何年か前に《見える化》というビジネスワードが流行っていた気がします。
見えないもの、見えにくいものを視覚化して伝達していくという内容。
そこにはいくつかのスキルが必要になっていたはずです。
・伝えるべき事柄の明確化
・伝えるための情報置き換え技術
・伝わりにくさの評価による伝達方法の改善
・伝わり易くしてしまったものの価値の維持
思い返せばこのような感じでしたでしょうかね。
常にその《見える化》というテーマや対象の中心に置かれながら、同時に
中々結果へ結びにくいものの一つが「技術」というものでしょう。
もちろん門外漢ではありますが、競馬における騎乗テクニックもその中の
一つかと考えています。きっと本当に難しいのだろうなぁと…。
その中でこの処とても気になっているのが、事故やインシデントケースが
多々起きていることです。
今回の藤岡康太Jの事故もそのご家族やご関係者らの心情を慮れば掛ける
べき言葉はすぐには見つけられません。謹んでお悔やみを述べるばかり…。
まだ35歳といえばまるで息子のような感覚ですからね。本当に心が痛みます。
ただ、それらの視点とは別に、この先同様の事故を回避し低減させていく
ための努力を忘れてはならないと強く意識させられてもいます。
本人カメラではなくあくまでパトロールVをスロー再生などで何度も確認
してのことですが、直接の事故のタイミングの他に2〜3回は危険だなと
思える箇所があったように見えますし、途中回避できるだけの余裕は何回か
あったようにも見えるのですが、当然故人ご本人も気が付かれていながら、
その回避行動への意識が些か薄かったか、あるいは意図してそのポジション
を保ったまま抑え込んでいたようにも感じられます。
事実、JRAさんの当該レースの結果のページでは、出来事欄に故人への
過怠金100,000円の記載がありますので、主催者側の視点でも同様に捉え
られていたのではないかと…。
このケースの他にも、制裁対象にはなっていませんが翌日の阪神4Rの
西村淳也Jの坂の途中での進路変更も「ウワッ」と声が出そうな感じですし、
同日の福島10Rで斎藤新Jが騎乗停止処分になったスタート後の進路取りや
3/16 の中山1Rで柴田大知J落馬の原因となった小林勝太Jの進路取りなど
も同様な危険性を孕んでいたように思えます。
大きな痛みを味わったこの機に、〈事故やインシデントケースの情報共有〉
という意識を、制裁対象者だけではなく、もう少し幅広く騎手や厩舎関係者
あるいは主催者の間へも広く、何らかの形でケース類型別に《見える化》を
図っていくことで、大衆レジャーの内側で危険と隣り合わせに存在する騎手
や競走馬へのより高い安全性確保に努めていくことを考えて頂けたらと、
心から願って止みません。
特に春先は技術的に未熟な新人騎手らの参戦もある訳ですから、通常よりも
確保すべき安全基準の幅を拡げ、厳しいレースの中であっても皆が少し心の
余裕をもって安全で且つスリリングなレースを実現出来るような体制を作って
頂きたいと思います。
※ 申し訳ありませんが、こちらの投稿へのコメント欄は閉じさせて
頂きます。どうぞご海容の程に願います。