あんた

あんたが、死んでから
丸六年、経とうとしています。
約束通り、月命日を欠かした事は
有りません。
初代の妻も、入ってます。
8月に、七回忌をしました。

居なくても、
私を幸せにしてくれました。
ありがとう。

生活の心配も無く、
さめざめと、３年近く、
泣き暮らして、みました。

起きて泣いて、寝て泣いて、
飯食って泣いて、外へ出て泣いて、
歩いて泣いて、座り込んで泣いて、

陽が暮れると、
あんたを探しに、町へ出ました。
二人でいった店を、巡り、
あんたの影を、追いかけました。

♪こんな所に、居るはずも無いのに♪
♪One more time.♪
♪One more chance.♪

お互い、家庭には縁の無い、
人生のでした。
あんたより先に、死な無いのが、
暗黙の条件の様な…
毎日、怒ったり、笑ったり…
ヘソを曲げたり、ふくれたり。

出不精の私を引っ張り回し、
色々な所へ、旅行しました。

病気が転移して、死ぬ迄に
二ヶ月ぐらいしか無かったけれど、
完全看護の病院での、
住み込み生活は、
私の長い人生の中で、わずかです。

夜中の病院の中を、
ぐるぐる車椅子で回り、
予後2年が、1年、半年、3ヶ月…と
短くなり。
1ヶ月、3週間以内、今週一杯と、
言われた翌々日。


最後の言葉は、
のたうち回る中、叫び声で。
「よちこ！サヨナラだ！」
約12時間後に、息を引き取りました