誘い〜izanai

私には、恩師が居る。

まだ私が、じょし☆こーこーせい☆
だった頃… … …知り合った。

レザークラフト教室の先生だ。

トコトコ、
病院の死体置き場の、塀を隔てた、暗い道を通って、教室へかよった。

女の先生だが、考え方が飛び抜けていた。
兎に角知識人で、あの頃、脳が薄い私でさえ、先生の利発さには、関心した。

先生の旦那は、もっと頭が良い。

英語、フランス語、ロシア語と…後二国の、専門書の原書を読み、翻訳をする。後で聞いたが、日本で三人だか五人だか？の内で、古文書が、読める人だった。
もうこの世には、居ないけどね。

生前、脳の薄い私は、旦那さんに、聞いてみた… …五国語、判るって！どんな風なの？
う〜ん、読めるってだけで、喋れないから、大したこと無いなぁ〜♪

旦那さんは、吃音だ！どもり。
そう！と、言うだけで、
そ…そ…そそそ…そぅ〜！となる。
返事するだけで、大変だ。

今の返答も、文章にすれば短いが、
大変、時間が掛かっている。
更に、子供が泣く程の、物凄い目付きをしていたけど、私は脳が薄い分、旦那さんとは、仲良しだった。

先生には、兄妹が8人居て、長女。
母親は、完璧なキリスト教。
旦那さんも、兄妹が8人居て、長男
母親は無教養で、同居した為、子離れが出来ない。だから、嫁とソリが合わない。

いくら利発な先生でも、嫁・姑問題は、解決不可能。

其々の兄妹達の、高等教育を受けさせ、面倒を見て来た、先生夫婦。

二人共、横浜大学を首席で卒業した
前代未聞の、カップルだそうだ！
私には全く、理解出来ないけれど…

兎に角、賢いから、間違いが無い。
間違いが有ったら、修正する。
その修正が素早く、的確に…
脳の薄い私には見えた。

知識人には、知識人の友達が有り、
その人達が、著名人と成る面白い
逸話が有るが、それは…ソレ。

私の生い立ちにも、少し絡み、最初の亭主と巡り会ったのも、この教室。

付き合って良いか、相談しーの、
結婚決まったから、報告しーの、
子供が産まれたら、見せーの、
離婚したから、伝えーの…と、
人生、長々と付き合っている。

…つづく