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2014/05/28 19:33
瞬間、心、重ねて?大惨敗から復活の親子制覇?
90年代はサンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムの御三家の子ども達がダービーの大舞台でしのぎを削りました。サンデーサイレンス産駒が持ち前の瞬発力を武器に直線で躍動すれば、トニービン産駒は他の2頭の種牡馬には無い類まれなコース適性で、ブライアンズタイム産駒は大舞台でこそ発揮される独特の破壊力でそれに対抗しました。
やがて御三家の時代が終焉を迎えると、サンデーサイレンスの孫達がダービーの大舞台で躍動するようになりました。サンデーサイレンスが輩出した6頭のダービー馬も種牡馬となってダービー馬を輩出することが、彼らに課せられた使命と言っても過言ではない時代がやって来たのです。
「ダービー馬はダービー馬から」という言葉が競馬界にはあります。この言葉を実現する事の難しさはダービーの歴史を見れば明らかです。しかしこの言葉でさえサンデーサイレンスの前ではカビの生えた伝説になってしまいました。
2003年のクラシックは牡馬・牝馬共にサンデーサイレンス産駒の独壇場となりました。牡馬ではネオユニヴァース(写真上)、ゼンノロブロイ、サクラプレジデント、リンカーン、そして孫のザッツザプレンティ、牝馬では三冠馬スティルインラブとエアグルーヴの初仔アドマイヤグルーヴの対決が繰り広げられました。
その対決を制して皐月賞・ダービーの二冠を獲得したネオユニヴァースもやがて種牡馬となり自身の様なダービー馬の輩出を宿命付けられました。
2008年、ネオユニヴァース初年度産駒がデビューを迎えました。7月阪神競馬場でデビューした一頭の競走馬はその秘めた素質をまざまざと見せつけました。その馬の名前はロジユニヴァース(写真下)。
3ヶ月ぶりの実戦となった札幌2歳ステークスから鞍上に横山典弘騎手を迎え快進撃が始まります。そして横山騎手と共に、デビュー戦から弥生賞まで無敗の4連勝でとうとうクラシック第一弾・皐月賞を迎えました。
14着。これがロジユニヴァースの皐月賞でした。ダービーまで1ヶ月で立て直せるのか。これがファンの間での最大の関心事でした。
40年ぶりの不良馬場でのダービー。ファンはロジユニヴァースを2番人気に支持しました。復活を期待するファンの想いがこの人気に現れたのでしょう。
離れた3番手でレースを進めたロジユニヴァースは直線、2番手から抜け出したリーチザクラウンの内に出来た一頭分のスペースを通って先頭に立ちます。同じくダービー馬の子どもであるリーチザクラウンも必死で抵抗しましたが、1着でゴールを駆け抜けたのはロジユニヴァースでした。父も制した最高の舞台で14着からの復活をやり遂げたのです。
親子二代でダービー制覇、横山典弘ダービー初制覇、12年ぶりの関東馬のダービー制覇。ロジユニヴァースの復活によって競馬の歴史にこれらの記録が書き加えられたのです。