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2014/07/22 20:43
両雄、現る。?グラスワンダーPART2?
復活を遂げたグラスワンダーは翌年、京王杯スプリングカップから復帰し勝利すると、安田記念に参戦。圧倒的1番人気に支持されたがエアジハードに鼻差交わされてしまった。その後、宝塚記念に参戦し宿敵スペシャルウィークとの初対戦を迎えた。
年明け3連勝で天皇賞春を制したスペシャルウィークが1番人気。グラスワンダーは安田記念の敗戦もあり2番人気となった。レースを見守るファンは同世代のダービーホースとグランプリホースのどちらが強いのか、その一点に注目した。
スペシャルウィークをマークする形でレースを進めたグラスワンダーは4コーナーに入り早くも先頭に立ったスペシャルウィークを目標に進出。直線に向いた時点では2馬身ほどの差があったが、1完歩ごとにグラスワンダーがその差を縮め、並ぶ間無く差し切りスペシャルウィークに3馬身差を付けてゴール。あまりにもあっけない決着となった。
秋は毎日王冠で復帰するもメイショウオウドウに鼻差まで迫られる辛勝。その後に予定していたジャパンカップを跛行で回避し有馬記念にぶっつけで出走することになった。
宝塚記念後、天皇賞秋、ジャパンカップとG1を連勝し王者の風格を漂わせるスペシャルウィークはこの一線を最後に引退することになっていた。99年の有馬記念は両雄の最後の対決となった。
終始スペシャルウィークにマークされる展開となったグラスワンダーだったが、4コーナーで前を行くツルマルツヨシの手応えの良さにやむを得ず進出を開始。それを見るようにスペシャルウィークもスパートを開始。ツルマルツヨシを捉えにかかるグラスワンダーを外からスペシャルウィークが交わしにかかる。両雄の馬体が並んだ所がゴール板であった。
ゴール前の勢いは完全にスペシャルウィークが上回っていた。勝利を確信した武豊、そして敗戦を感じた的場均。それぞれの想いとは裏腹に勝ったのはグラスワンダーであった。4cmの差が両雄の間に立ちはだかった。
その一戦を最後にターフに別れを告げたスペシャルウィークとは対照的に、翌年も現役を続けたグラスワンダー。しかし2000年に出走した全3戦はそれまでのグラスワンダーからは想像もつかないような惨敗の連続… あの有馬記念で持てる力を全て出し尽くしてしまったのだろう。
スペシャルウィークから勝利を挙げるというのは競走馬生命を賭けたグラスワンダー一世一代の大勝負だったのだ。
種牡馬となったグラスワンダーはスクリーンヒーローやアーネストリーといったG1ホースを、ブルードメアサイアーとしてメイショウマンボを輩出した。
現役時代の強さから考えるともっと大物を輩出しても良いと思うものの、スペシャルウィークと死闘を繰り広げていた頃の迫力満点の馬体は今も健在。父を超える大物の登場はこれからかもしれない。