803件のひとこと日記があります。
2014/07/01 20:07
羽生、防衛に死角なし(その1)
羽生善治棋聖(名人、王位、王座)に森内俊之竜王が挑戦する第85期棋聖戦5番勝負第2局が6月21日に行われて、141手で羽生が勝って2連勝として7連覇に王手をかけた。
毎週月曜日に発行している週間将棋(定価350円)の1面の内容をそのまま掲載した。
がっぷり四つの相矢倉から均衡が崩れたのは中盤戦。引っ張り込んで受ける森内得意の展開が効を奏し、羽生の攻めは次第に細くなっていく。それでも反撃が厳しいので足を止めるわけにはいかない。角を切ってつないでいくが見通しは立っていなかった。
挑戦者が構える最強の盾で、棋聖が握る最強の矛を受け止めはっきり優位に立った。今は不安定な玉方でも、待望の反撃の手番が回れば初勝利にグッと近づく。
ところが丹念に面倒を見た棋風通りの一着(97手目▲4五歩を△同金と取ったあたり)から流れが変わる。一見手段がないように見えた局面から、羽生が巧妙に手をつないだからだ。こうなると景色は一変。堅陣の先手との玉形の差が響いてくる。駒得でも強い戦いができないのがつらいところで、強力な攻め駒だった森内の角は、一転先手の標的になり追われる展開に。寄せを諦め上部開拓を目指す後手玉に、羽生は巧みに網を絞る。
そして最後にゴールを駆け抜けたのは、またしても羽生のほうだった。
春の名人戦から続く羽生の快進撃が止まらない。森内にタイトル戦6連勝とその勢いは衰え知らず。棋聖7連覇に向けて死角はない。
第85期棋聖戦5番勝負第2局(6月21日)
▲棋聖 羽生善治 △挑戦者 森内俊之
持ち時間各4時間
▲7六歩 △8四歩
▲6八銀 1 △6二銀
▲5六歩 1 △5四歩 2
▲4八銀 △3四歩
▲6六歩 △4二銀
▲5八金右 2 △3二金
▲7八金 △4一玉
▲6九玉 1 △5二金
▲7七銀 1 △3三銀
▲7九角 1 △3一角
▲3六歩 △4四歩
▲3七銀 1 △6四角
▲6七金右 1 △7四歩
▲6八角 1 △4三金右
▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △5三銀 3
▲1六歩 2 △9四歩 1
▲1五歩 1 △2二玉 5
▲1七香 2 △9五歩 4
▲1八飛 1 △2四銀
▲2六銀 1 △4五歩
▲3五歩 1 △同歩
▲同銀 △同銀
▲6五歩 △7三角
▲3五角 △4四銀
▲5七角 1 △8五歩
▲7五歩 11 △同歩 13
▲7四歩 △8四角
▲6六銀打 △3六歩 15
▲7五銀 7 △5一角
▲6六角 5 △5五歩 36
▲同歩 7 △3七歩成3
▲同桂 1 △3六歩
▲2五桂 11 △2四歩 2
▲1四歩 6 △同歩 5
▲1二歩 2 △同香 1
▲1三歩 △同桂 4
▲同桂成 2 △同香
▲5六金 △2三金 21
▲5四歩 23 △同金 11
▲4六歩 15 △5五銀打12
▲同金 19 △同銀
▲同角 △同金
▲3五銀 △4三金打5
▲2六桂 6 △2五桂 5
▲4四銀打 36 △7六歩 11
▲同銀 2 △4四金 9
▲同銀 △5四金
▲4五歩 5 △同金 27
▲3三歩 6 △同金 1
▲7三歩成 △同角 4
▲3三銀成 △同玉
▲6四歩 △4四玉 19
▲4六歩 2 △同金 6
▲6三歩成 2 △5一角
▲5二歩 5 △3三角 9
▲3二金 △5五角
▲6六金 22 △4五玉
▲3三金 △同角
▲2三角 △3五玉
▲3二角成 △4四角
▲5四馬 △4五金打1
▲4七歩 △同金
▲6七銀 △5五銀 4
▲同金 1 △同角
▲同馬 △同金
▲7一角 △4四銀
▲3三銀 4 △5四金
▲4四銀不成1 △同金
▲5六銀 △3七歩成
▲4五銀打 2
まで141手で羽生棋聖の勝ち
消費時間(▲3時間43分 △3時間59分)
最終盤の127手目に7六の銀を引く▲6七銀が好活用で、次に▲5六銀△同銀▲4四馬△同玉▲5六金が厳しい狙い。秒読みに突入した森内は△5五銀と投入したが、▲同金から▲7一角と純粋な王手飛車が掛かって体勢が決した。
投了図は次に▲4四角成△4六玉▲5五銀△5七玉▲6六銀左までの詰めろ。△6二歩と止めても▲4四銀△3六玉▲8二角成で受けがなく投了もやむなし。