14 日本ダービー　ダービー馬の血統について。

基本的に血統を最重要視して馬券を購入しますが、オープンクラスともなると、血統傾向とは違う能力を持ち勝ち上がってきた馬も多く、当然そこに至るまでの戦績は無視できません。

それでも日本ダービー。こと勝ち馬に限定すれば、過去の勝ち馬はほぼすべてそれなりの血統構成を持っています。

しかしながら、今年は非常に難解です。
例えば昨年のキズナのような納得のできる血統構成の持ち主が非常に少ないように思います。


イスラボニータ
言われ尽くしてはいるが、こと1着ということで言えばフジキセキ産駒というのは大いに不安。ただし、この馬の場合は母父コジーンでこれは府中は大歓迎の血統。今年のメンバーならこの馬の実績も踏まえれば母父コジーンの血でフジキセキの血を凌駕して父悲願のダービー馬へと行き着いちゃうかもしれない。が、しかし、それでも母母父がクラフティプロスペクターというのがさらに不安を煽る。馬券圏内ということであれば一番可能性は高そうだがいかに。

ワンアンドオンリー
先週のオークスを持ち出すまでもなくハーツクライ産駒の府中実績、2400m実績は抜群。
皐月賞のレースっぷりも踏まえれば文句なしでこの馬が今年のダービー馬候補なのだが、いかんせん母父タイキシャトルが引っかかる。母父タイキシャトルがダメと決めつけれるほどのサンプルはないのだが、ハーツクライ×タイキシャトルという血統構成はどうにも中途半端というかアンバランスに思え、歴史に名を残すダービー馬となるにはどうにも心許ない気がする。

トゥザワールド
個人的にキングカメハメハ産駒がダービーを勝つ日は来ないと考えている。母系は文句なしだがあっても2着までの血統。この馬単体で考えると小回り向きで長く脚を使えるタイプでもなく、今回は掲示板も危うい。

レッドリヴェール
ステイゴールドは問題なしも、母父ディキシーランドバンドもダート血統であり、超不良馬場の札幌2歳Sを勝てたのもこの血が一役買っているのかも。
そんなことより！血統云々以前に牝馬がダービー勝てるほど甘くないって。いや決して「牝馬はダービーを勝てない」論者ではない。現にフサイチホウオーを軽視してウオッカを本命にした人間だ。ただウオッカはウオッカである故に男馬をも蹴散らせたわけで、そんな馬はそうそう出ないから歴史的なわけだ。ウオッカには阪神JFの時点で「これは…」と思わされたが、レッドリヴェールにそこまでのものを要求するのは酷な話。掲示板に載れば大したもの。

トーセンスターダム
父はディープインパクトで文句なし、母父エンドスウィープはサンプルが少ないも大幅なマイナスにはならなさそうだし、母母父がノーザンテースト。人気どころでは一番可能性がありそうな血統構成。もうひとつ前の母母母父にイスラボニータと同じくクラフティプロスペクターの血が入っているが、こちらは4代前なので大勢に影響を及ぼすことはなさそう。皐月賞完敗から巻き返すアドマイヤベガのパターンもありそうだ。

ワールドインパクト
こちらもディープインパクト産駒。母父ピヴォタルは短距離志向が強い。これもサンプルはほぼないに等しい血統だがディープインパクト×ノーザンダンサー系短距離種牡馬はジェンティルドンナと同じパターン。しかもピヴォタルにはコジーンの血も入っている。オークスとダービーでは問われるスタミナが違うので母父ピヴォタルでは若干心許ないのだが、今年のメンバーの中では大威張りできる血統構成の持ち主。

ベルキャニオン
こちらも同じくディープインパクト産駒だが母父フレンチデピュティとの組み合わせでは迫力不足は否めない。3着までか。

ショウナンラグーン
キングカメハメハ産駒と同じくシンボリクリスエス産駒もダービー馬を出せる種牡馬ではない。昨年のエピファネイアもそうだったように、どんなに能力が高くとも、大レースでは最後はきっちりディープ産駒に差されてしまうのが血統であり底力であり競馬の歴史。

最後に一頭、
今年の出走馬のなかで唯一欠点がほぼない血統構成の持ち主、ハギノハイブリッド。
父タニノギムレット自体がダービー馬で、産駒ウオッカもダービーを制し、スマイルジャックも人気薄で2着。
母父は説明不要の府中の鬼トニービン。さらに母母父にサンデーもしっかり入っており、さらに母母母父まで遡ってもアファームドで底力は文句なし。母系は祖母サイレントハピネス〜祖祖母レガシーオブストレングスの良血。
一発あるならこの馬。

実はディープ産駒ではサトノルパンが一番「らしい」血統ではあるのだが、きさらぎ賞の1800でさえ距離の限界をみせた馬なのでこれは触れないこととする。