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2015/01/21 22:08
メモ 鉄人・佐々木竹見の騎乗論 後半
赤見:竹見さんから見て、上手いなと思うジョッキーは?
竹見:中央だったら、横山(典弘)さん、(武)豊さん、あと池添(謙一)さんも好きですね。横山さんなんか本当に上手い。追って姿勢が崩れないものね、たいしたもんですよ。この間のイッシンドウタイが勝った時(2015年1月11日 ポルックスS)は、全く姿勢が崩れないでしょう。ああいうところは若手は見習わなくちゃダメですね。
今はある程度前に行かなくちゃ勝てないでしょう。豊さんなんかはそういうところがすごい。この間のシンザン記念だって上手かったですよね、スーッと先に動いて。いい脚を使うって言ったって、後ろからじゃなかなか勝てないんですよ。豊さんがサーッと行ったでしょ、あそこで勝ったと思いましたね。他の馬はその後から行ったけど、結局間に合わなくて。ああいう勘というか、勝負の駆け引きが本当にすごい。
あと川田(将雅)くんも上手くなりましたね。いい馬に乗っているし、勝つからね。この間のエピファネイアも負けはしたけど、よく走ったんじゃないかと思います。スッと2番手行って、あれでもっと下げたら喧嘩になるし、いい乗り方だったと思いますよ。あれで内枠だったらもっと楽だったでしょうね。
一時期、オーバーアクションでお尻をドンドンついて追うのが流行ったでしょう。あれは良くないですね。はたから見ると追っているように見えるんだけど、ちゃんと騎座が入っていない人だと、意外とジョッキーは楽なんです。あの形で馬が伸びるジョッキーもいるけど、それは騎座がきちんと入っているから。なんでもかんでもお尻をつけばいいってもんじゃなくてね。前に横山さんも言ってたけど、お尻をドンドンつくのがいいんじゃないかって、たまに言われるって。でも、例えば子供をおんぶした時に上で子供がグラグラしたら、下はバランスを崩すでしょう。基本的に僕はああいう乗り方は好きじゃない。お尻をドシンドシンつくなんて、馬は背中が一番大事だから、若馬なんて腰を痛めますよ。ああいう乗り方は、癖馬を走らせる方法だから。いきなり止まったりする馬に対して、お尻をつけたまま、騎座をグッと入れて推進するっていうね。普通に走ってる馬には必要ないんです。上手い人の騎乗を見て勉強するのはいいことだけど、自分に合った乗り方っていうのがあるんだから、自分自身の姿勢を作らなくちゃ。
赤見:竹見さんは、長年地方競馬教養センターで騎手候補生たちを指導していらっしゃいましたから、その子たちの成長も待ち遠しいのではないですか?
竹見:本当にそうですね。トップの人たちは本当に頑張っているから何も言うことはないですけど、若手にはもっともっと頑張って欲しいし、どんどん伸びて来て欲しいです。それで、教え子たちが竹見カップに出て来て戦ってくれたら、すごく嬉しいですね。それが今の僕の夢です。