競輪
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2012/04/27 20:10
私の体どうなっちゃたのよ〜｡その��
目を上げればそこに宝がある。
鈴木さきさん(58歳)
鈴木さんが意識を取り戻したのは、病院のベッドの上だった。
ぼんやりとした意識のなかで、ベッドの脇に立つ夫(58)と、医師が何か話しているのが見えた。
一体、自分の身に何が起きたのか、それすらもよくわからない。
検査の結果、脳出血と診断された。
一命をとり留めたものの、脳出血は失語症や感覚障害、片麻痺など…、
重い後遺症を残す恐れがある。
医師の話を、鈴木さんは呆然として受け止めていた。
鈴木さんは、左手を動かそうとしたがピクリとも動かない。
左半身そのものが動かない事に気付いた。
『私の体、どうなっちゃたのよ…』
自分の体が自分のものではないような感覚が…、
鈴木さんに事の重大さを知らしめたのだった。
ベッド脇のポータブルトイレで用を足すのでさえ…､
看護師四人の手を煩(わずら)わせなければならない。
そうした恥ずかしさに耐えるなかで、自分の体は本当に回復するのだろうか？
と言う不安が脳裏をかすめる。
入院から十日後、鈴木さんはリハビリを専門とする病院に移った。
転院当初は、右手を使ってスプーンでものを食べる事ぐらいしか出来なかった。
とにかく麻痺していた左半身を動かす訓練に努めるのだが…、
体が自分のイメージ通りに動いてくれない。
感覚障害を起こした左半身では、ものを掴むことはおろか…、
持ち上げる事さえも容易でなく、熱さや冷たさも感じない。
『何で上手くいかないの』と言うジレンマがいっそう募り、苦しむ。
そしてその葛藤が、自分を励ましてくれるサンガと会っている時でさえ心を曇らせる。
見舞いは嬉しかったが、その一方で、サンガが自由に動き、歩ける事を羨ましいと思う。
そんな嫉妬にも似た気持ちを抱く自分が又、嫌になる。
時には弱気になり、見舞いを終えて帰ろうとする友に、
『私も帰りたいよ』と、泣きながらつぶやく事もあった。
『どうして私がこんな目に遭わなければならないの』と愚痴を吐き、
『これ以上リハビリなんてしたくない』と我が儘を言うようになった。
元気だった頃の自分を思い、体が思い通りに動かない苛立ちで皆に迷惑をかけました。
そんな気持ちの浮き沈みを繰り返す鈴木さんの心に、一つの思い出が甦った。
それは24年前の6月、二男の弘(当時6歳)が近所の川で溺れて亡くなった時の事だ。
幼い我が子を失い、鈴木さんは『私がこの子の代わりになりたい』と、１日中泣き続けていた。
その�△紡海�ます。
- スプーン
- サンガ
