339件のひとこと日記があります。
2012/05/31 10:10
四門出遊。お釈迦様は、人の苦しみが、わかる人間になりたくて、修業をつみました。
皆さんは、仏伝の中でも有名な…、
四門出遊(しもんしゆつゆう)の話をご存知だと思います。
出家される前のお釈迦様つまり、シッダールタ太子の生活は…、
極めて贅沢な物であった事が、記録から伺えます。
そのシッダールタ太子が、ある時、従者を連れて東の門から城外に出掛けると…、
腰が曲がり、杖にすがって、ようやく歩く、老人を見て愕然とされるのです。
私達は自分も、やがては老いていく身でありながら…、
それを忘れて、肉体の衰えた老人に、冷ややかな眼差しを向けがちです。
とりわけ若い時には、自分だけはいつまでも…、
老いる事が、ないように錯覚する『若さのおごり』に陥りがちです。
しかし、シッダールタ太子は、その老いを我が身の事として…、
深いもの思いに、沈まれたのでした。
又、ある日、南の門から出掛けようとした太子は病気で…、
もがき苦しんでいる、人の姿を見て大きなショックを受けます。
さらに別の日、西の門から出掛けようとして、戸板に乗せられて…、
運ばれていく、死者を見て太子は、いよいよ苦悩を深くしていくのです。
しかし、それから暫くして、北の門から出掛けた太子は、道の向こうから…、
いかにも清らかな姿で、輝くような顔色をして、やって来る人物に出会います。
『彼はいかなる人物であろうか』と従者に問うて…、
それが道を求めて出家した、修行者である事を知ったシッダールタ太子は…、
『自分も出家修行者として道を求めたい』
と考えるようになったのです。
何、不自由ない太子の生活を捨て、人の苦しみ、悲しみが、わかる人間になる為に…、
出家して、飲まず、食わず、寝ずして長い苦しい修行に入られたのです。
お釈迦さまは、人の苦しみが、わかる人間になりたくて修業なされました。
私達はそこまで出来なくても、少しでも…、
人の苦しみ、悲しみが、わかる人間になりたいですね。
明日から六月に入ります。
皆さん、むし暑く、じめじめした梅雨がきます。
どちら様も、お身体に気を付けて、楽しい毎日をお過ごし下さいね。
皆さんのご健康をお祈りしております。
合掌。