339件のひとこと日記があります。
2012/06/18 17:19
こんにちは〜。今日も笑い話二作です。
『ある夏の日の錯覚』
沖縄の夏は暑い。
その暑さたるや、普通ではない。
日中は、ビールでも一杯あおったように、ボーとした状態になる。
缶ジュースの、自動販売機の前に、サラリーマン風の男の姿があった。
男は二人、当たり付きでラッキーが表示されたら、もう一本貰えるというそれ。
一人がボタンを押した。
早速ランプが回転する。
と、もう一人は、やったーと言わんばかりに歓喜の声を上げている。
男は透かさず、ボタンを押した。
止まりかけていたランプが再び回転しはじめる。
その傍らでは、又も歓喜の声。
男は再び、ボタンを押した。
そんな事が何回となく、繰り返された後。
二人の男は、血相を変えて、店の中へと入って行った。
どうやら『五百円玉を入れたのに、お釣りが出てこない』
と、女主人にクレームを付けているようだ(>_<。)
『まんじゅうの夢』
1944年、当時中学三年生だった私は…、
政府の命令により軍需工場の寮で寝起きし…、
朝は五時に起床ラッパで、たたき起こされ、工場で慣れない作業をやらされて…、
夕方寮に帰ると言う、毎日を送っていました。
その当時、国内の食糧事情は、かなり深刻になっており…、
食い盛りの少年にとっては、とても満腹できる状態ではありませんでした。
空腹だと眠れないのが普通ですが、連日不慣れな工場の仕事で…、
神経も体も疲れているせいか、夕食を食べ入浴や、洗濯などをすませると…、
消灯の時間になるが、昼間の疲れからか、いつの間にか眠ってしまいます。
そして空腹の為に、よく食べ物の夢を見ます。
ある日、ふと見ると目の前に、白いアンコの入った…、
フカフカの巨大な饅頭があるではありませんか。
思わずしめたと思い、食べようとしたら目が覚めてしまいました。
なんだ夢だったのかと、残念がりましたが、同じ夢を毎日見ました。
私は、その饅頭を眺めながら考えました。
今度もきっと夢だろう。
夢なら覚めないうちに食ってしまおう。
そしていきなり、その饅頭に武者ぶり付きました。
それまでは、夢の中で何かを食べても、歯応えなど感じた事はなかった。
この時は、確に物を食べてる歯応えがあった。
次の瞬間目が覚め、気が付くと、何と布団に噛みついていたのであります。
以上です。
合掌。