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2012/07/10 16:07
結婚=離婚へ私を導いてくれた長男の怒り。一話
吉田悦子(57)さんのお話です。
『結婚から離婚へ』
長男の潤一(34)さん、二男の晋也(31)さんを授かるまでは幸せな結婚生活だった。
しかし、晋也さんが生まれる一年ほど前から、職を転々とし始めた夫は、二男が誕生してまもなく蒸発。
悔しさと苦しさから夫の洋服をハサミでズタズタに裂く事もあった。
パートに出るようになり、仕事と家事、子育てに追われる生活が始まった。
小学校に入ったばかりの長男の潤一さんは母親に代わり、
弟の面倒を見、家事を手伝う優しい子だった。
しかし、中学校になると周りの家と比べ『うちは欲しい物も、ろくに買えない』と、貧しさに不満をもらすようになった。
高校3年生の時に、腎臓病にかかった潤一さんは、貧しさから満足な治療が受けられなかった。
高校を卒業しても進路は決まらず、体の具合を悪くして2年間、家で療養した。
その間に大学進学を希望し、翌年入学。
『お金がかかるから…』と、自分の希望した高校、大学に行けなかった不満や、
丈夫でない体への、いら立ちなどが蓄積し、ある晩ついに、押し込められていたものが爆発した。
『長男の不満』
夜、吉田さんが仕事から帰り、疲れた体を横たえると、潤一さんが枕元に座るなり怒鳴り始めた。
『アンタが離婚なんかするから、俺は少しも自分の思うように出来なかった。俺の青春を返せ!』
『自分一人が苦労してきたかのように、綺麗事を言いやがって、何でも思う通りになると思ったら大間違いだ!!』
激しい潤一さんの怒りに、吉田さんはうつむいた。
私だって、生活する為に必死で働いているのよ。
私だけが悪いんじゃない。
父親にも責任はあるのに、私だけ責めないで!!
吉田さんは、叫び出したくなる苦い思いを必死にかみ殺した。
しかし、潤一さんの怒りは毎晩続いた。
耐えられなくなった吉田さんが求めたものは、なかなか足を運ばなかった教会道場だった。
教会に行き、大法座で打ち明けた。
『息子さんの言葉にとらわれずに、息子さんの心の奥を見つけていきましょう』
と、教会長の指導を受ける度に『この子は何を思って言っているのだろうか』と、潤一さんの本心を知ろうと努めた。
しかし、『ごめんなさい』と謝ろうとも、潤一さんの怒りは収まらない。
怒鳴られてるうちに、吉田さんにある思いがわき起こった。
合掌。
一話、二話、三話まで、あります。m(__)m