339件のひとこと日記があります。
2013/06/26 23:54
お前たち私を向こう岸まで渡してくれんかのと声をかけた。ところがお断りだねと言う。
『そばの根っこが赤いわけ』
昔々、寒い冬の日の事。
大山の、すそ野を流れる、阿弥陀川のほとりに、
一人の年老いた坊さんが、立っておった。
傷があるのか、足には血がにじんでおった。
坊さんは、橋を探したが、あたりには一本の丸木橋すらない。
途方にくれ、川べりの畑で、風にザワザワと揺れて遊ぶ小麦に…、
『すまんがお前たち、私を背負って向こう岸まで渡してくれんかの』と、声をかけた。
ところが、小麦はお断りだねと言う。
この寒空の下で、川なんかに入れば、途端に凍えちまう。
と言い、又、ザワザワと遊び出した。
すると、もしもしお坊さま、私が…、
お渡ししましょうと、隣のソバ畑から優しい声がする。
その足で、冷たい川に入ると、旅にさしつかえます。
私でよければ、さあどうぞ。
ソバは、さっと坊さんを背負い、ためらう事なく、冷たい水の中に入っていった。
『すまんのぅ…。足が冷たいじゃろうなぁ』
『これくらい、なんともありません』
ソバは、弱音一つ吐かずに川を渡りきったが…、
向こう岸についた時、ソバの足は…、
痛々しいほど、真っ赤にかじかんでおりました。
『お前の親切に報いて、これからは、冬にあわずに暮らせるようにしてやろう』
その坊さんは、あの名高い弘法大師だった。
以来、ソバは寒い冬が来る前に、収穫されるようになった。
その証拠に、ソバの根っこを見てごらん。
今も、真っ赤な色をしておるよ。
一方、坊さんに冷たくした小麦は…、
今も、冬の畑でザワザワ、ザワザワって揺れる羽目になったとさ…。
と、言う有り難いお話でした。
ふるさとの仏教民話、鳥取県のお話でした。
人様に、親切にするんだよ…、
困っている人がいたら、助けてあげなさいよ…、
と、言うお話でした。
合掌。( ̄人 ̄)
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ふるさとの仏教民話、鳥取県のお話でした。
人様に、親切にするんだよ…、
困っている人がいたら、助けてあげなさいよ…、
と、言うお話でした。
合掌。( ̄人 ̄) -
mr.miracleさんがいいね!と言っています。
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圭葉さんがいいね!と言っています。
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YHDさん
遅くまで、
乙やわ(^^)♪