競輪
339件のひとこと日記があります。
2013/11/06 20:21
『消えてしまいたい』��
皆さん今晩は〜。(^O^)v
今日も一日、お疲れさまでした。
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昨日も沢山のいいね！!＆コメント、頂きありがとうございました。
m(__)m
感謝しています。m(__)m
一人ひとりに、リコメ出来なくて申し訳ありません。m(__)m
でも、感謝しています。m(__)m
『消えてしまいたい…』
鈴木さんの体験談です。
山あいから、夏の湿った風が吹く明け方だった。
浅い眠りから覚めると、鈴木さんは重苦しいため息を一つ吐いた。
眠れない夜はいつもそうだ。
時計に目をやると午前４時を回っていた。
《急がんなね。じきに明るくなってしまう》
かたわらで眠る、和樹君(10)のあどけない顔に、胸が締め付けられる思いがした。
そっと寝顔にふれると、不意に涙が込み上げてくる。
『ごめんね…』
後は言葉にならい。
心の中で息子に別れを告げると、鈴木さんは階下に降り、台所で焼酎のロックを２杯あおった。
それで勢いがつき、もう何も考えなかった。
まっすぐ車庫に向かい、灯油の入ったポリタンクを持ち出すと、
そのまま灯油をかぶり、ライターで火をつけた。
自分の存在を消したい。
鈴木さんがそう思い立ったのは四年前、祖母の死がきっかけだった。
《口下手で、人の付き合いが苦手な祖母は、自分と似ている》
子供の頃から、そう思ってきた。
その祖母の死が、ショックだった。
鈴木さんは葬儀の日、訪れる親戚や弔問客を前に、
自分がどう対応していいのか、分からなかった。
《もしかして…私は何もできない、価値のない人間なのかもしれない》
ふと、自分の存在が薄れていく気がした。
そんな思いに囚われると、これまで無意識に蓋をしてきた、
自分の過去が、負い目となって胸に迫ってくるのだった。
『孤独の日々』
鈴木さんには、離婚した過去があった。
辛い結婚生活だった。
新婚旅行から戻ったその日に、義母がくも膜下出血で倒れて入院したのだ。
以来、義父を中心に病院通いの生活が始まった。
だが暫くすると、今度は夫が会社を辞めて働かなくなった。
親思いの優しい夫なだけに、母の病気は大きなショックだったのだろう。
だがその分、家計は苦しくなり、年を重ねるごとに借金が膨らんでいった。
やがて鈴木さんは、そんな生活に耐えられなくなり、幼い和樹君を抱いたまま家を飛び出した。
病院で寝たきりの義母と献身的に看病を続ける義父を置いてきた事が、しこりとなって残った。
しかし実家に戻ると、鈴木さんの心は開放的になっていった。
(続きます。)
