339件のひとこと日記があります。
2014/03/22 20:59
小話二題です。『親不孝』と、『大びいどろ』
皆さん今晩は〜
(^O^)v
前回もいいね!!ありがとうございました。
m(__)m
今日は江戸小話二選です。
『親不孝』
四十にもなってまだ親不孝をする男がいた。
そこで友達が、貴様は、四十にもなるのにまだ親不孝しているとは情けないやつだ。
中国の老来子(ローライシ)は、七十歳過ぎても子供の小袖を着てたわむれ、親に歳が若いと思わせようという心遣いをしたそうだ。
貴様も、それくらい心をくばってあげたらどうだと意見をした。
親不孝の男、なるほどと感心し、早速、大島つむぎの綿入れをこしらえた。
親の前で飛んだり跳ねたり、鼻歌を歌って、果てはとんぼ返りをしたりして見せた。
お袋は涙を流しああ、情けない。
長生きすればいろいろな悲しい事を目にする。
何としても、お前が本当の気違いにならないうち、先にあの世に行きたいのう。
安永五年(1776)刊。
以上です
『大びいどろ』
どうやら近いうちに金儲けのつるに取りつく事ができそうだ。
辰吉が意気揚々とやってきて言う。
『どんないい話だ。早く聞かせてくれ』と孫次郎が身をのり出す。
『ずっと前から川底に金、銀が一杯埋もれているって話、知っているだろう。そいつを見つけ出す方法を考えた、どうだ、のらないか』
《そいつは面白い。俺も半分のった》
『そんなら舟を借りてきてくれ』と両人、話がまとまり、舟に乗って両国の辺りへこぎ出し、辰吉は用意した大びいどろ(硝子玉)の壺を開けた。
『さあ、この中に入れよ』と孫次郎を大びいどろの中に入れると、口をしっかり閉め、網を付けて水底へ沈めた。
『どうだ、金、銀が一杯あるか?』
《あるとも、あるとも、銭、金、脇差し、金物、ザクザクだ》
びいどろの中の孫次郎が嬉しさの余り興奮して叫ぶ。
『早くとれよッ』と舟の上から辰吉が命令した。
ところが孫次郎《手がでないよッ》
安永五年(1776)刊。
以上です。
合掌。( ̄人 ̄)