ダンスインザダーク物語Ｖｏｌ．９（菊花賞）

クラシックの最終章　菊花賞です。
皐月賞は早い馬が、ダービーは運のある馬がそして菊花賞は実力のある馬が勝つと
言われています。
淀の３０００ｍをフロックで勝てるほど甘くはありません。
メンバーも多彩で距離不向きと判断されたバブルガムフェロー以外の有力３歳牡馬が
集合してきました。
その中でも断トツの１番人気に支持されたのが我らがダンスインザダークです。
２番人気にはダービー馬のフサイチコンコルド、３番人気にはミナモトマリノスが支持されました。
前哨戦を余力残しで勝利したダンスと前哨戦を落としたコンコルドの状態の差が
この人気になったものと思います。
ちなみに春にダンスとしのぎを削っていたロイヤルタッチは前哨戦の負け方が
良くなかったため番人気となりましたが、岡部騎手に乗り替わり逆転を
狙ってきました。
ダンスは８枠１７番お世辞にも良い枠とは言えません。
ダービーでは好位につけ直線抜け出した所をコンコルドに差されました。
今回はどの位置につけどのように競馬をするか注目です。
ゲートが開くとダンスは豊騎手はダンスを後方寄りの中段　ラチ沿いに誘導し
折り合いに専念させる作戦に出ました。
２周目の３コーナー辺りから徐々に順位を上げようとするものの内が詰まって
思うように進めません。
４コーナーを廻る頃には後ろから数えた方が早いような位置になり、実況の杉本アナが
「ダンス　ピンチか」と言われる位絶体絶命の状況となりました。
しかし豊騎手は落ち着いていました。京都外廻りは４コーナーから直線に切り替わる時に
内ラチが一瞬無くなります。それを利用して内から一気に追い抜きにかかります。
他馬が止まって見えるほどの瞬発力で一気に置き去ると
最後はフサイチコンコルド、ロイヤルタッチもかわしゴール。
場内は歓声とため息が入り混じるような興奮状態でした。
３０００ｍのレースで直線だけでごぼう抜きというのも前代未聞。
ダンスの強さだけが際立つ菊花賞となり、
今後ダンス時代が到来するのを予感するものとなりました。