橋口弘次郎先生、おめでとうございます。

橋口弘次郎先生がJRAの顕彰者になりました。殿堂入りです。
ずっと応援していた調教師、厩舎なので、すごく嬉しいです。

そしてこの橋口厩舎の馬達をずっと応援していて、
レースを見て、レースを勝つ難しさを知って
さらにレースに勝った時の喜びを知りました。
私の２着、３着病もこの厩舎から始まったのかも知れません（苦笑）。

何頭かの馬の思い出を・・・

・ダンスインザダーク
この馬が、ダービーに負けるはずがない。それくらい、プリンシパルSのレースは完璧でしたね。そしてダービー、フサイチコンコルドに差された、あの悔しさは、今でも忘れられません。武豊騎手もダービーを未勝利の頃でしたね。私としては、初めてダービーの馬券が当たった瞬間でしたが、競馬に絶対がないことも身にしみて知りました。忘れられないレースの一つです。

・ローズバド
小さな真っ黒な馬体。私が一番好きな牝馬です。小牧騎手に初めての重賞をプレゼントし、橋口先生とのりちゃんを結びつけた馬です。しかし３歳のクラシックから秋は、２着続きで、どうして勝てないんだ、大泣きでした。負けが続いていた後のマーメイドS。北海道遠征中の典ちゃんが「俺が乗る！」と阪神まで駆け付けました。しかし大雨。馬場も悪くなるし、人気もどんどん下がる。ファンも先生もだめかな・・と思った時に、レースは、うちから突き抜けた久しぶりの勝利でした。のりちゃんが「この馬は重や不良は、悪く無いよ。やっと橋口先生に恩返しができた」とにこやかでした。私は、狂喜乱舞でした（笑）。G3で死ぬほど喜んだレースは、このレースしかないんじゃないかな。

・ハーツクライ＆ワンアンドオンリー
ハーツクライは、私のダービーの本命でした。やっぱり２着。それから好走でもずっと２着。JCのタイレコードの時は、やっぱりか・・・と肩を落としました。しかし喜びの瞬間は次にやって来ます。有馬記念、ハーツの単勝馬券を握りしめ、微妙な空気の中山競馬場でゴール前、大絶叫でした。そしてドバイSCの優勝も現地で見ました。そして憧れのキングジョージ。あのレースは、すごいレースでした。レース後、隣の葉巻をくわえた英国紳士が、私の肩を叩きながら「ファビュラス！」と言って感動していました。でも、あんなに恐ろしくきついレースを見たのは生まれて初めてです。歴史に残る良いレースだったんですがね・・。アスコットはコースがきつい。レース後に引き上げてくるハーツクライを見て、泣いている日本人女性がたくさんいました。それぐらい期待をしていた日本人が多かったですね。こんなに良いレースで、タフなアスコットで互角に行けたのですから、負けたけれど、胸をはって日本に帰れる気がしました。みんながフランス・凱旋門賞を目指す中、競馬の母国の英国を目指す調教師でしたね。
それから何年か経ち、夢の瞬間がやって来ます。白いゼッケンで走る唯一のG1、ワンアンドオンリーと典ちゃんが、一番でゴール番を駆け抜けました。橋口先生の夢がかなう瞬間を一緒にその場にいれて良かったです。東京優駿を勝って、一番先に「先生おめでとう！」とファンから声をかけられるのは、橋口先生だけじゃないでしょうか。

橋口厩舎について語ると長くてすみません。これでも短くしました（笑）。本当に良い馬に会い、良い経験をしました。今年、定年で、残念ながら厩舎がなくなってしましました。完全に橋口ロスです。
しかし、悲しんでばかりはいられません。この情熱を取り戻すべく、また応援できる厩舎を探したいと思います。