わなと言われたフォア賞（エルコンドルパサー回想記）

フォア賞の事を書いていたら、エルコンドルパサーの事を思い出して、彼の写真集なんて眺めています。

当時、ある記事で読んだのですが、うがった考え方との前置きで、フォア賞に出なければ、エルコンは凱旋門賞に勝ったのではないか？との記事がありました。

当時のフォア賞の登録は４頭。エルコンが、怖くて回避ではなく、彼を逃げさせるのが目的じゃないかと。馬はレースで一度先頭で走るとその癖がつく。凱旋門賞は、逃げ切れるレースではない。そして欧州の有力馬は、ペースメーカーを目標とするレースは慣れている。フォア賞のレースに参戦したのは、スーパー差し馬のみでしたね。これが、馬の習性を知っているヨーロッパ人の奥深さだよと。その奥深さを理解しないと凱旋門賞は、一生勝てないとの主張でした。そして本番の凱旋門賞では、ペースメーカーが競らないで引いたんですよね。なのでこの説に、私は１票です。

さらに、もしエルコンが、馬群中段にいれば、馬群に閉じ込めてしまえばいいんですからと。ダンスパートナーは、それにやられましたしね。欧州競馬は、本当に難しい。

本番の当日は、エルコンが２着でも、「こんな結果は、嘘っぱちだ！遠い異国の国の馬がこんな成績をおさめるはずがない！」と叫んでいるフランス人のおじさんがいました。そんな空気でしたから、大半の欧州の競馬ファンは、東洋の怪物に凱旋門賞を取られなくて、ほっとしたんじゃないでしょうか。アウェー感は、半端無いものでした。

今は時代が変わり、有力騎手が優先騎乗契約を断ってまで、日本馬に騎乗し、フランス人が日本馬を応援する時代になりました。本当に時代は、変わったものだと思います。そして、今ではシャンティに日本人調教師の小林先生もいるし、日本馬には良い条件になりましたね。いつの日か、日本馬が、凱旋門賞を取れる日を夢見ています。

そして本日エルコンの孫が、ソウルのG1を走りますね！そう言う意味では、本当の名馬を見たんだなと思います。エルコンドルパサー、サイレンススズカ、グラスワンダー、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、ステイゴールドが活躍した時代が、自分的競馬の黄金時代だなと、改めて思いました。

（追記）
エルコンの凱旋門賞が終わった後に、誰かが言った言葉

「これからは、毎週のように、海外の大きなレースで、日本馬が活躍しているかも知れないね」

それが、現実となりました。海外競馬に目を向けて、応援していた先駆者である写真家の今井壽惠さんや解説の大川慶次郎さん、ファン代表で大橋巨泉さんに見せてあげたい気分です。

今井先生の作品
http://www.kmopa.com/archive/imai/imai.htm