黄金旅程

香港名・黄金旅程ことステイゴールド、何ともなく魅力的な馬でしたね。どんなレースでもいつもちょっとの差で勝てない。逆に言うと大きなレースでもちゃんと上位に来るんだからすごいです。そして、唯一、サイレンススズカの影を踏んだ馬です。でも勝てない。

小雨まじりの東京競馬場。目黒記念で、熊ちゃんから乗り替わった豊さんで、夢の重賞１着のゴールを決めました。２年数か月ぶりの勝ち星でした。その時、東京競馬場の観衆から暖かい拍手が聞こえてきましたよ！。G2で、そんなことが起こるレースは、とても珍しいです。あの温かい東京競馬場の雰囲気は、今でも忘れられません。彼のキャッチフレーズの「愛さずにはいられない！」が、良くわかるレースでしたね。

トゥザビクトリーの帯同馬としてドバイに行って、ドバイシーマクラシックに出走でした。このレースで、日本競馬の歴史的勝利を飾ったのでした！。前年のワールドレーシングシップチャンピオンのファンタスティックライトを撃破したんですね。レースを見ていたのですが、「また２着か・・・。海外で頑張ったなあ」と思っていました。レースリプレイの決勝戦を見てみると、馬友さんと「あれ、ひょっとして、勝ってない？？？！」とお互いに顔を見合わせ、大喜びでした。

その時のシーマクラシックはG2で、ステイゴールドのG1勝利には遠かったですね。最後のG1勝利をできるチャンス、引退レースに香港ヴァーズ（G1、芝2400m）が選ばれました。武豊騎手騎乗でレースに臨んで、最後の直線で早め抜け出したフランキー・デットーリ騎乗のエクラーとの差はかなりある。これは万事休すだろう・・・と思ったところからの巻き返しが、すごかった。手前を変えてから、すごい脚での追い込みでした。５０戦目、そして引退レースで初のG1制覇、ドラマチックですね。

レース後に、フランキー・デットーリが「また、お前か！ゴングラジュレーション！」とコメントをして、ウインクしたそうです。

香港ヴァーズ（映像は長いです・笑）
https://youtu.be/kFYlRz49LBE

そして、その時にステイゴールドが、３冠馬の父親になるなんて、誰も思わなかったですね。

現役の時のレースを昨日のように思い出し、種牡馬になっても良く見に行ったので、あれから５年経ったなんていまだに思えません。

そして、その血はアドちゃん、ナンちゃんに受け継がれていますね。彼女たちの偉大なるおじいちゃんですね。